西本恵「日本野球をつくった男―石本秀一伝」

 読み終えた本について。


 約600ページにも及ぶ石本秀一の評伝。


 これはタイトルにもあるとおり、一人の野球人の生涯を記した伝記というだけで無く、大正から昭和に掛けての日本野球の歴史そのもの。


 広島県人としては、この人は広島カープの初代監督にして、広島カープを作り、その初期を支えた人というイメージ。それ以前に監督として常勝軍団の広島商業のイメージも作り上げた人というイメージだ。


 なので、晩年自宅で広島カープの初優勝に涙する姿が取材されていおて、余りにも有名な映像として残っているが、この本は、あの時の表情や涙が何に裏打ちされているのかという事をよく伝えてくれている。でも、彼の場合はその後日本一になったカープを見届けることも出来たので、今の言葉で言うと「持っている」人なのだと思う。というか、そんなカープを見て感慨に浸ることが許される人の内の一人だろうと思う。


 彼一人の力ではないが、彼もまた日本の野球の発展に尽力して来た人の一人だったという事がよく分かる。


 そして、戦前の精神論者でありながら、理にかなった管理野球論者でも有ったのに驚かされた。


 ただ、彼の影響下にあって太く短い選手生命だった稲尾や権藤のことを考えると、ある意味、人それぞれの野球人生をその人に合う様に謳歌させることの出来る指導者だったのだろうなと・・・・・・。


 それよりも、改めて「確かに」と思ったのは、石本-農人-古葉が一直線のラインだったという事。それから、石本-水谷-緒方から今の現役選手に直結されるという事。こういう事に気付くと、今の広島の中にも石本の指導というものは生きて活かされている様だ。

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