吉岡忍「M/世界の、憂鬱な先端」

 今日も読み終えた本について。  ノンフィクション作家、吉岡忍の宮﨑勤に関するルポタージュ、というよりドキュメンタリーだな。  一個の人間として考察している。  で、一般にいわれている事件のあらまし、特に宮﨑の動機について、再検証している労作だ。  さらには、別の有名な事件との類似点を挙げて、この手の事件について掘り下げる。  そして、宮﨑の造っ…

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吉川愛 写真集「off 」

 読み終えた本について。  昨年末に購入した吉川愛の2nd写真集。  背伸びをしている。  そう感じた。  十代最後の時を写したという事になっている。  素の彼女という事だが、どうだろう?  むしろ、芸達者な役者である人の写真集なので、思いっきり素を演じた写真集という気がする。  そういう身ではプロ根性を感じた写真集だ。 …

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似鳥鶏「パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から」

 今日も読み終えた本について。  最近好きでずっと読んでいる似鳥鶏の単独作品。  カフェを切り盛りする兄弟の話。弟が元警察官だけど、色々あって動けないために兄が代わりに動いて弟が安楽椅子探偵となっている。  4作の連作短編でそのどれもが苦い後味となる様な話だ。  似鳥鶏の作品のいつもの主人公のようにひたすら危険な目に遭ったりしてないが、深い心の闇を抱えた弟…

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涌井貞美、永井佑紀「理科のおさらい 物理 (おとなの楽習)」

 読み終えた本について。  物理の本。  大人のための、復習本。  基本的には中学校の学習内容を復習するというものだけど、今回の本は物理なので、一巡りするとどうしても高校レベルになってしまう。まぁ、これは致し方ない。  しかしながら、そこら辺を著者は美味く書いている。分かりやすく。そして基本お話で。ただ、物理と数式は切っても切り離せないので、必要最低限は出…

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小宮輝之監修へんないきもの解明学会編「とってもへんないきものたち」

 今日も読み終えた本について。  「へんないきもの」の類似品。  「へんないきもの」と違って、複数の人が書いているので、文章に統一感がないのが玉に瑕だが、色々なカテゴリ毎に集めているので「こんなへんな」というのに統一感があるのは一番のこの本の特徴だ。そして、一番面白いところだ。  そんな本。  類似品だが、結構良い本。面白い本。「へんないきもの」と被りがな…

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早川 いくを「へんないきもの」

 今日も読み終えた本について。  今日は15年くらい前のベストセラー。現在まで同じ著者の同系統の本が出続けているし、類似本も多数出ている。  簡単に言うと、生き物紹介の本。  「へんな」というのが切り口。  ただ、「へんな」の意味合い毎に分けたりしていない。著者が紹介したいモノを著者にしか分からない順番で紹介していく。  そういう本。 …

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石母田正 松島栄一「日本史概説 Ⅰ」上下

 今日は読み終えた本について。  日本史の概説本。  範囲は古代と中世。  具体的には戦国の世まで。  しかしながら、著者の二人が二人とも中世史家なのがご愛敬。なので、執筆範囲がいまいち分かりにくい。  でも、石母田正が古代史もテリトリーとしているので、古代の方は彼が多いのかな?  まぁ、それはそうとして1955年の本なので、割と昔の内…

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七尾与史「ティファニーで昼食を ランチ刑事の事件簿」「隠し味は殺意 ランチ刑事の事件簿②」

 読み終えた本について。  今回は七尾与史のユーモアミステリーシリーズ。今のところ2巻まで出ている。  これは女性刑事と先輩の男性刑事によるバディ物なのだけれども、二人の勤める警察署の食堂のシェフがとんでもない人物で、結局の所彼が安楽椅子探偵(正確には違うけど)を務める作品となっている。  因みに、一致期話題になった絶対味覚がキーワードになっている。どう絡むのかは書…

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一ノ瀬俊也「昭和戦争史講義 ジブリ作品から歴史を学ぶ」

 読んだ本から。  二本の近代戦争史を学ぶ本。  というのが、この本のテキストは著者が大学の授業で喋った内容を本に起こしたモノだからだ。  内容から察するに、2単位の授業なんだろう。  しかし、題名からも分かるとおり、個性的だ。  ジブリ作品を通して、戦争を語るという。  実は、戦争だけでなく、その時代を語る。  ジブリ作品が…

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逢坂剛「百舌落とし」

 今日も読み終えた本について。  逢坂剛のハードボイルドシリーズの第7弾。  そして完結編。  これで終わりというには、まだまだ続きそうな感じが何とも。  というより、第5弾以降3作の完結編と行った趣の方が強い。  今までもそんな感じだよね。  1作目と2作目が本来の続き物(1作目が叙述度リックの塊であり、2作目はストレートなハードボイ…

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時野谷勝 秋山国三「新修 京大日本史 Ⅵ 現代の日本」

 今日は読んだ本について。  京大等出身の史学者による全六巻の日本歴史叢書の第六巻。  今回は大日本帝国憲法の制定からサンフランシスコ講和条約まで。  あと、付け足し的に昭和40年代までが書かれている。  しかし、それは二部構成の第一部のみで、多分第二部は昭和二十年代前半で止まっている。というのがこの本が昭和29年が初版で昭和49年が改訂版だからだ。 …

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Newtonライト『三角関数のきほん』 (ニュートンムック)

 今日も読んだ本について。  科学雑誌Newtonの初心者向けムック。  今回は三角関数について。  sin、cos、tanとぐるっと一巡りする本。  そして、三角巻数によって波を表現して、三角関数によって波を「その振動」を表す関数に変換するフーリエ変換を紹介して終わる。  結構盛りだくさん。  といっても、フーリエ変換は本当に紹介だけ…

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七尾与史「失踪トロピカル」

 読んだ本について。  今回は七尾与史の第二作。  ミステリー作家の著者であるが、この作品は毛色が違う。  雪達磨式最終的に皆殺しスリラーとでも言おうか、転がり出したら最後まで止まりませんでしたという話。  多分好き嫌いが激しいだろうなぁ。  ただ、ミステリーとして読むなら、最後に勝った人間の予想は途中で付いたな。 広島ブログ

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奈良本辰也 前田一良「新修 京大日本史 Ⅴ 近代国家の成立」

 読み終えた本について。  今回は日本歴史叢書全6巻の内の第5巻。  この巻は他と毛色が違う。他の巻も基本的に複数の学者による共同執筆で、その記述割合が平等だけれども、この巻はほぼ奈良本辰也一人で書いている。  もう一人は、最後に補完をする役割のみだ。  それも、まぁ致し方ない。  この巻は幕末から明治初年に掛けての思想史を中心として執筆されたも…

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七尾与史「死亡フラグが立ちました!」「死亡フラグが立ちました!~カレーde人類滅亡!? 殺人事件」「死亡フラグが立つ前に」「死亡フラグが立ちました! 超絶リアルゲーム実況殺人事件」

 今日は読んだ本について。  七尾与史のデビュー作とそのシリーズ四作。  最新作の四作目が最近出た。  丁度その直前に三作目まで買っていたので、一気に4作品読んだ。  ミステリーとしては、まともなのは一作目の「死亡フラグが立ちました!」のみだ。四作目なんて、その辺りの雰囲気まるでなしのゲーム小説だったし。  そもそも段々と、登場人物の超人的な凄さ…

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大原優乃2nd写真集「吐息」

 読み終えた本について。  大原優乃の写真集。  今回も水着グラビアの集大成の写真。後は下着の写真が少しとなっている。グラビアアイドルの鑑のような写真集になっている。20歳の子。  これで良い。  これで良い。  呪文のように、そう唱えている自分に気付いた。  そんな写真集。  これからもできるだけ、「こう」であり続けて欲しい…

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矢作穂香「I’m just me」

 読み終えた本について。  今日は、女優矢作穂香の1st写真集。  まぁ、内容的には若手女優によくある写真集だ。  若い女の子なら、アイドルだろうが女優だろうが歌手だろうが、こういう作りになるよね、という内容をきっちり踏襲している。そういう身では非常に安心できる写真集である。  しかし、女優の写真集なので、もう少し冒険しても良いかな?とは思った。 …

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青山透子「日航123便 墜落の波紋 そして法廷へ」

 元日航CAによる日航機123便のルポ第四弾。  そいつの話。  今回は、番外編的な内容。  今まで触れられてなかった外国人遺族とこれまでの法廷闘争について。  で、最終的に、今後有りそうな法廷闘争について書いてある。  これは、このシリーズにある取材に基づく報告ではなく、取材はしているが、むしろ重きを置いているのは今後に対しての決意表明だ。 …

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冨手麻妙「別冊月刊 冨手麻妙」

 今日も本について。  今回は今月初めに手に入れた3冊の写真集の内の一冊。  冨手麻妙の2nd写真集。  この作品はベトナムで撮られたモノで、素材写真集でもアイドル写真集でもない。種類としては写真家が自己主張の材料として女優を使った写真集といえる。  まぁ、こう堅い話は抜きにしても、色っぽい人に写している。  そういう風に考えると良い写真集なのか…

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岡崎琢磨「珈琲店タレーランの事件簿」1~6

 読んだ本について。  半月ほど掛けて6冊読んだ。  というか、ついこの前発売になった6巻目は読み始めてから知って追加で買った。  昔から存在は知っていった。だけど中々手が出なかった。  読んでみるとこれが、ライトミステリのある意味王道だった。基本的に人気の高いライトミステリは、’軽めの種類の筈が、話の内容は非常にヘヴィーという。これもその路線は全く外して…

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Newtonライト『虚数のきほん』 (ニュートンムック)

 今日も読んだ本について。  今日はムック。科学雑誌Newtonのムック。数学好きとしては何冊か買ったし、今後も買っていこうかと思っている。  で、虚数についての本。  奥深い虚数の世界を60ページ余りでどう表現するのか楽しみに読んだ。  結局、しっかりとした基礎と虚数を使って表現可能な物理現象まで割と盛りだくさんの内容となっていた。  虚数の誕…

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東川篤哉「ライオンの棲む街 ~平塚おんな探偵の事件簿1~」

 今日は読み終えた本について。  2013年スタートの著者のユーモアミステリーシリーズの第一弾。  平塚を舞台にした女性の探偵物。  狂言回しの幼馴染みが女探偵で組んで事件を解決っていうバディ物。  そして、時期が時期だけに東川篤哉のパターンが完成した時期で、そのパターンで書かれた作品だ。  なので安心して読めたが、逸脱していないモノなので、爆発…

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脇田修 平山敏治郎 石田一良「新修 京大日本史 Ⅳ 封建社会の成熟」

 今日は読み終えた本について。  京大の関係者による昭和26年刊の全6巻に渡る日本歴史叢書の第4巻。  範囲は戦国時代から幕末手前まで。  3人の論者による論文3本というのは他の巻と変わってないし、それぞれが出来事担当、経済担当、文化担当と完全に分かれているところも同じ。  全体的にわかりやすい内容だったが、ただ、最初の論文の冒頭の論が非常に心に残った…

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大江健三郎「同時代ゲーム」

 読み終えた本について。  大江健三郎の丁度40年前に出た1979年の作品。  その後、リライト版として出された「M/Tと森のフシギの物語」を先に読んでいたので、物語は頭に入っていた。  それでも話の冒頭が読みにくいので、「なんの話だ」って思っていた。  という事で、でも、その冒頭さえクリアすると後は明解。大江健三郎お得意の神話的世界が手を広げて待っていた…

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山口真帆1st写真集「present」

 今日も読み終えた本について。  山口真帆の、ここの心ずっと渦中の人の写真集第一弾。  アイドルグループを辞めて、女優として食っていこうと最初に挑んだ作品がこの写真集。なので「それっぽい気負い」がきちんと感じられる作品だ。  ただ、直前までアイドルだったのに、「それっぽさ」がないというのは少し残念に感じる。  なので、間を取って、女優として「アイドルを…

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Newtonライト『微積のきほん』 (ニュートンムック)

 今日も読み終えた本について。  今回は科学雑誌ニュートンの別冊。  初学者向けのムックといった内容だが、同様の微積を扱ったムックのサブセット版だそうだ。  特徴は読み物ということ。  微積がどのように発展してきたか、特に物理との添い寝を描く。  こういう、本にありがちな数式を省くような事をしていないのも、ちゃんとしっかり理解させようという編集側…

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鳥飼否宇「妄想女刑事」

 今日も読み終えた本について。  某有名ドラマのノベライズで名を馳せた著者(ただし別名義)によるオリジナル作。  妄想しっぱなしの刑事が主人公で、それで事件をなんてアイデア勝負な作品。  内容的にはお手軽なライトミステリ。というか、力技でゴー。  これが、また良い。この小説には似合っている。  ただ、これで完結しちゃってるので、シリーズ化して欲し…

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林屋辰三郎 小葉田淳 村山修一「新修 京大日本史 Ⅲ 中世の日本」

 読み終えた本について。  京大に所縁有る学者による、日本史の叢書全6巻の3巻目。  ここでは、所謂、鎌倉時代と室町時代が3編の論文によって語られている。  江戸時代は除いているので、所謂武士の時代の前半部分を「中世」として扱っている。  昭和26年の本だが、中世の始まり=武士の台頭と位置付け、そのエポックメイキングとして院政を取り上げるなど、現在の論に近…

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帚木蓬生「空山」

 読み終えた本から。  著者の20世紀末に書かれたシリーズ物の2作目。  これは、環境問題を告発する小説だが、現実が追いつてない様があり、読後惨憺たる想いをするのはよくある事だ。この著者の作品では。  この作品は著者の他の作品とも通じる部分があり、マンパワーの強大さをしっかりと描いているところが主眼だ。  まぁ、結局の所、逆説的に、行動すれば叶うという事だ…

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宇田川幸大「考証 東京裁判: 戦争と戦後を読み解く」

 読み終えた本について。  今回は、東京裁判についての本。  これは、近代史の一般書のつもりで買ったのだが、少々偏りのある東京裁判のルポタージュといった趣の本だった。  「何が裁かれ、何が裁かれなかった」のかを精査していく作業は、今もって総括がなされていないこの裁判について必要な事だろうと思うし、それを行いわかりやすい形で提示した著者の努力には頭が下がる。 …

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