七尾与史「無邪気な神々の無慈悲なたわむれ」

 読み終えた本について。  ユーモアミステリー、ライトミステリーのジャンルで活躍する著者のもうひとつの得意ジャンルである救いのないサスペンスの最新作。  というか、ここに来て最高傑作を書いたかもしれ無い。  無理に人が死んでいかないし、提起された問題もちょんと理解できるし、傑作だと思う。 広島ブログ

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梶井基次郎「檸檬」

 読み終えた本について。  ハルキ文庫編の短編集。  著名な「檸檬」が表題作で、その次に著名な「桜の樹の下には」も含む5編の集。  個人的には、妹の三十五日のために実家に戻って過ごす主人公の日常を描く「城のある街にて」が白眉。城のある街の情景が、日常を過ごす家族の情景が鮮やかに描かれている。  しかしながら、どの作品も「死」が内包されている。  …

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ジェームズ・M. ケイン「郵便配達は二度ベルを鳴らす」

 読み終えた本について。  ハードボイルドの古典にして、実際の殺人事件を基にした話でもある。  ただ、タフな人間は一人も出てこない。  まぁ、こんな話もあるのかなと。  しかし、登場人物達(主人公の二人)のキャラが立っているので、映画に何度もなるのは理解できる。 広島ブログ

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明日見未来1st写真集「あすみみ図鑑」

 読み終えた本について。  ショートカットのYoutuberの写真集。  まぁ、可愛らし人を可愛らしく撮った写真集。  メイクはいまいちだけど、そこは、まぁ、仕方が無い・・・・・・。 広島ブログ

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七尾与史「全裸刑事チャーリー」

 読み終えた本について。  著者らしい最新作。  連作掌編集。元々5分で読める作品を集めたオムニバス本に発表されていた作品らしい。  まぁ、超優秀な刑事が主人公のミステリーなのだけど、事件解決は副。主は題名から類推できる「全裸」。  人によっては馬鹿馬鹿しく感じるかもしれないが、これはアイデアの勝利。  だと思う・・・・・・。 広島ブログ

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筑波昭「津山三十人殺し 日本犯罪史上空前の惨劇 」

 読み終えた本について。  津山事件のルポとしては古典作品。  この事件のイメージは良くも悪くも、この作品に寄るところが大きい。  という事で、この度読んでみた。  枝葉末節というか、要らぬ部分が多いが、そこを除けば真に迫るドキュメントだ。  しかし、最後の襲撃の場面は少々ドラマを作りすぎた感あり。 広島ブログ

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東川篤哉「探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線」

 読み終えた本について。  探偵夫婦の娘と、彼女の子守をする何でも屋の男によるバディ物の、ユーモアミステリシリーズ第三弾にして最後。  著者らしい、新本格派の作品集になっている。因みに、全て密室物。4編の連作短編となっている。  最後は、大団円で終わらずすっきりさっぱりしているのが、この作品らしい。ローティーンの娘と三十路男のバディ物なので、どうしてもベタベタしない…

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デボラ・ブラム「毒薬の手帖 -クロロホルムからタリウムまで 捜査官はいかにして毒殺を見破ることができたのか-」

 読み終えた本について。  20世紀初頭のニューヨークを舞台に、設立されたばかりの監察医制度において、初代の監察医と、その相棒ともいうべき化学者が監察医制度を根付かせようと努力する話し。  というか、客観的証拠を提示し辛かった毒薬を使った犯罪を、いかにして、客観的証拠を見付けられるかという話。  それらを実際にあった事件のルポという形で、時代を描いている。 …

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バカリズム「架空OL日記」

 読み終えた本について。  バカリズムが銀行のOLになりきって15年くらい前に書いていたブログの書籍化。全2巻。  個人的には数年前にドラマになった時に見ていたので、やっと原作を読んだという事だ。  多分、こんな感じのブログ有るよなぁって感じで、アルアル物なんだろうけど、それ以前に話しが面白かった。  小説として、完成していた。 広島ブログ

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小池新「戦前昭和の猟奇事件」

 読み終えた本について。  新書の事件ルポ。  しかも昭和の始めの頃の割と有名処を取り揃えている。  あの頃のエログロブームに乗って、それらの事件が以下の報道されたかというような内容となっている。  その他先行研究からの引用も交えて、事件の姿を追い、それに当時のマスコミがどう飛びついたかが克明に書かれていて非常に興味深い。この切り口はどんな本でもなされてい…

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生田絵梨花「乃木坂46卒業記念メモリアルブック カノン」

 読み終えた本について。  生田絵梨花の乃木坂46卒業記念の本。  写真集半分、インタビューと対談半分という構成。  写真集のパートはコンセプトがハッキリしていて良い。  インタビューは、適当。  対談が良い。  本当なら現役でなく、OGとの対談とか欲しかった。  例えば、中三トリオで鼎談とか・・・・・・。  無理か…

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志賀直哉「暗夜行路」

 読み終えた本について。  久々の文学作品。  小説の神様、志賀直哉の唯一の長編小説  書き始めから23年の年月を費やして完結した作品。  という事は、作者本人が長編小説が苦手なのだろう。  だから、時間が凄まじく掛かったのだろう。  しかしながら、さすが短編小説の名手という事が分かる。  というのが、色々なエピソードや、舞台…

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柴田哲孝「下山事件 暗殺者たちの夏」

 読み終えた本について。  小説。  「下山事件 最後の証言」の。  これは著者が独自の取材を行った大胆な推理の結果出来上がったルポだった。  ただ、「下山事件 最後の証言」から間を開けての小説化なので、その間に著者が調べたこと、「下山事件 最後の証言」ではハッキリと書けなかったことを書くための小説だった。  その為に、小説という体裁を取ったモノ…

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島田荘司「上高地の切り裂きジャック」

 読み終えた本について。  中編二編収録。  一つは、リモート推理の表題作。  もう一つは、幽霊騒動の裏にある真実を炙り出す新本格派の典型。  こういう作品集が面白い。  だから、御手洗潔シリーズは止められない。 広島ブログ

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島田荘司「UFO大通り」

 読み終えた本について。  御手洗潔シリーズ。  中編2編収録。  どちらもオチは同じと言うところに驚いた。  この本を読んだ・・・・・・、というか、買った動機はタイトル作ではなく、もう一方の「傘を折る女」がドラマになっていて、ずっと原作を読んでみたかったから。  表題作は、なぜこの題名になったか。割と考えられて凝った作品となっている。田鹿にと思…

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山田杏奈セカンド写真集「BLUE」

 読み終えた本について。  ファースト写真集のように「女子のを撮る」写真集ではなかった。  カメラマンの撮る被写体が山田杏奈だっただけ。  なので、彼女の特徴が薄い。  でも逆に、彼女の中性的な肢体は上手く捉えられている。 広島ブログ

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島田荘司「UFO大通り」

 読み終えた本について。  島田荘司の御手洗潔シリーズ。中編二編収録。  この作品集を手に取ったのは少し前にドラマ化された「傘を折る女」が収録されているので興味を持った。  そして、この作品集で気に入ったのは、オチが同じ事。  似たもの通しの話でここまで違う個性を見せるのは、さすが、島田荘司だと感じた。 広島ブログ

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安田理央「ヘアヌードの誕生 芸術と猥褻のはざまで陰毛は揺れる」

 読み終えた本について。  ヘアの表現について、石器時代の壁画をスタート地点に、その歴史を辿っていく。  題名の通り、ヘアヌードに関する事がメインなので、この著作の大半は、あの1990年代前半のへ和ヌードバブル時代、あの喧噪をこの本の中にワンパッケージしている。  そして、ヘアについては超えてしまった現在において総括するために必要な本だったのだろう。 広島ブログ

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誉田哲也「オムニバス」

 読み終えた本について。  姫川玲子シリーズ第九弾。  今回は短編集。  最初の話しは、前作の長編で解決しきれなかった話しを解決するための短編。  その他、新たな姫川班の面々を紹介するような作品が並ぶ。そういった短編集。  個人的には好き。  上下二編で続きの短編もあって、中々工夫していると思う。 広島ブログ

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相沢沙呼「invert 城塚翡翠倒叙集」

 読み終えた本について。  城塚翡翠シリーズの第二弾。  今回は中編三作。  長編と違って、ある種のこのシリーズのパターンが確立したと捉える事が出来る。  そして、短編や中編では、このパターンで行くのだろうか。  まぁ、主人公のあざとさを堪能するための小説なので、これで良いのだろう。  その主人公は少年漫画の主人公の如く、数々の危機を乗…

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今村昌弘「兇人邸の殺人」

 読み終えた本について。  「屍人荘の殺人」の第三弾。  今回も非常にオーソドックスな館物。  しかし、SFというか、ファンタジーというか、そういった類いのモノが推理小説とこんなに親和性が高いとは思わなかった。  今回は凄い話しだ。  遊園地内の経営者の自宅に潜入した主人公ご一行が閉じ込められて鬼ごっこをするという、典型的な館物の一つ。 …

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今村昌弘「魔眼の匣の殺人」

 読み終えた本について。  トンデモクローズドサークル新本格派作品だった第一オ段に続く第二弾。  逆に今回は非常に普通のクローズドサークルモノ。  しかし、トリック的な展開なのに、第一弾のせいで普通に感じてしまう。  もう少々普通でないものが来ても、感じなくなってしまった。  そんな作品。  トリック的展開がフックとして入った、オーソド…

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「オーディオ大全2021」「オーディオがまるごとわかる本 2022」

 読み終えた本について。  手頃な値段の機器を組み合わせてコンポを作って紹介するという本、2冊とも。  手法は評価する。というより、使い古された手だけど、普遍的で、こういったモノの裾野がもっと広がれば良いと思う。  個人的には「オーディオ大全2021」の方が色々なキャラクターを持ったコンポが作られているので良いかな?  もう一方は、どうしても、キンキン聴き…

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大倉崇裕「死神刑事」

 読み終えた本について。  アイデア勝利。  警察小説だけど、通常の捜査では無い。  捕まえた犯人が無罪になった事件の真犯人を捜すために再捜査する話し。  ニッチなところを捕らえた良作だと思う。  因みに、4話の連作短編だ。 広島ブログ

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東野圭吾「透明な螺旋」

 読み終えた本について。  ガリレオシリーズの第十弾にして長編五作目。  今回は、「容疑者Xの献身」に似た表紙に今度は「ガリレオと草薙が対決か」と考えたのだけど、読み終えたら違っていた。  ガリレオシリーズは理詰めの推理モノだが、今回は少し違う。推理部分はどちらかというと脇役。  主役は、絆の話。  まぁ、らしいよね。  という事。 …

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海堂尊「コロナ狂騒録」と東川篤哉「居酒屋「一服亭」の四季」

 読み終えた本について。  昨日は書く事が出来なかったので、今日は2冊分。  昨日書こうと思った本についてと、今日のモノを・・・・・・。  先ずは、海堂尊「コロナ狂騒録」。  昨年刊行の「コロナ黙示録」の続きにして、田口・白鳥シリーズの差し新刊。というか、著者のほぼ全ての作品が関わる「桜宮サーガ」の保守本流。  今回は昨年の夏から今年の夏までの約…

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川瀬七緒「スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官」

 読み終えた本について。  法医昆虫学捜査官シリーズの第七弾。  題名からも分かるとおり、今回は燕と燕が連れてくる虫の話。前々関係ない虫も見つかり、それを追う法医昆虫学捜査官ご一行と、地道に捜査する警察官が、同じ結論に達したとき・・・・・・。  そんな話。  最後はサスペンスで纏めている。  今回は変化球で長いシリーズをアキさせないように工夫をし…

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知念実希人「硝子の塔の殺人」

 読み終えた本について。  この作品、一言で表すなら・・・・・・。  新本格派マニアの新本格派マニアによる新本格派マニアのための作品  という事。  跡は、古今東西の推理小説蘊蓄が散りばめてあるので、そこを拾っていくだけでも楽しいし、物語の重要な鍵にもなっているので、もっと広い視野でこの本を読むと、  推理小説マニアの推理小説マニアによる推理小説…

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相沢沙呼「medium 霊媒探偵城塚翡翠」

 読み終えた本について。  最近話題の本。  内容的には、変則的な本格派推理劇。  主人公の探偵の胡散臭さと、狂言回しの女性を表現する際の気持ち終わるさが、非常に表に出ている作品。  ラノベ風な感じが狙っているのか素なのか判断に苦しむが、そういった表面的な内容も含めて非常に巧みな傑作。 広島ブログ

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