豊浦志朗「硬派と宿命 はぐれ狼たちの伝説」

 読み終えた本について。


 1975年の豊浦志朗の処女作。


 たった2作しかない著者だが、別ペンネームでその後小説を書き成功する。


 この作品はルポタージュだが、小説と本質は同じ。


 叛逆者を好み、彼らの立場に立脚してで描くところが・・・・・・。


 しかも、少年漫画的なヒーローストーリーではない。


 弱き者が強き者に挑み破れゆく様を描く。


 今回は5つの話があるが、それぞれの登場人物は決して成功しない。


 そして成功者については、その高邁な志を認めつつも、彼らの持つ本音を暴き出してしまう。


 なんというか、正直な内容だ。


 そんな豊浦志朗の別ペンネームは船戸与一。


 そして、この作品は文庫本になったり再発されてない。人気作家の昔の作品なのにだ。


 読んで分かった。これは船戸文学の原点だ。


 だから、是非再発して欲しい。


 文庫でずっと廃版にならずにいるもう一作「叛アメリカ史」と並んで、船戸与一の傾向を知る上で欠かせない作品だと感じた。是非再発され、多くの人に読んで欲しいと切に願う。


 彼は更に大学生の頃に部活仲間と共同で書いた作品がある。これは本名で書いているので、また別名だ。これも彼を知る上でハマースヅトアイテムの作品。もう少ししたら手に入る。楽しみだ。

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