佐野眞一「阿片王 満州の夜と霧」

 読み終えた本について。


 久し振りに佐野眞一の本を読んだ。買って随分積ん読にしていた。この作品と対とも言うべき「甘粕正彦 乱心の曠野」はとっくの昔に読んでいたのにだ。


 著者が前世紀末くらいから興味を持って取材を進めていた満州についての最初の成果。


 里見甫の伝記・・・・・・、というより評伝だ。兎に角関係者を探しては取材して証言を得て裏を取る。その過程を克明に記録している本。


 しかし、苦労は相当だったようだ。


 この本の取材時期は前世紀末から今世紀初め。里見が亡くなってから既に30年が経過してるし、そもそもこの本のメインとなる部分は前世紀前半。50年以上の話を主に扱う。


 なので時間との勝負になっている。


 取材しようとしたらタッチの差で「亡くなった」とか、取材したばかりの人が別の取材をしていたら訃報が入ったとか、そんな話ばかりだった。


 証言の取れた人、撮れなかった人とかもこの本を読む楽しみであろうから明かさないが、これによって、里見甫の人物像が最終的に霧の向こうから出てこなかったというのがなんとも。


 特に、この本のもう一人の主人公とも言うべき里見甫の仕事上のパートナーである梅村淳についてはハッキリさせることが出来なかった悔しさが伝わってきた。

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