9月28日に発売されたばかりのピンク・フロイドスタジオ作全アルバムリマスタープロジェクト全作品を一堂に集めたボックスセット。
一昨日の到着から3日かけて聴いた。
行為いたボックスセットは幾つか持っているが、何が便利かというと、バラバラで買う必要ながなく、ひととおりそろうということ、。また今回のように短期集中で全てが聴けるという事だ。
で、今回のセット内容は次の14作となる。
夜明けの口笛吹き(1967年作)
神秘(1968年作)
モア(1969年作)
ウマグマ(1969年作)
原子心母(1970年作)
おせっかい(1971年作)
雲の影(1972年作)
狂気(1973年作)
炎~あなたがここにいてほしい~(1975年作)
アニマルズ(1977年作)
ザ・ウォール(1979年作)
ファイナル・カット(1983年作)
鬱(1987年作)
対(TSUAI)(1994年作)
ここの特徴や、このバンドがどっち向いていたかなどは、様々なところで語り尽くされているし、今後もこのリマスター盤発売を機に増殖するだろいう。だから、今回は、このぼっくせっとで一度に聴いたからこそ分かる変化と、リマスター効果について一言メモをしておく。
まず変化だが、一番初期のいわば1stアルバムと2nd一部曲に現れているサイケビート的な感覚、ひたすらポップだけど、ひたすら猥雑で賑やか、近いのは同時期のザ・フーだったりするこの音から始まり、サイケは徐々に幻想に変わりビートよりブルース的感覚が勝ち始め、メロディアスなフレーズが耳障り良く、さらには日本人の琴線に触れるような類いのメロディを紡ぎ出すようになって、極上のBGMとも取れる所謂ピンク・フロイドにしか出せない音を完成させる。それが1971年の「おせっかい」の頃。因みに、この日本人の琴線に触れるようなメロディは質は違えども、当時の日本のロックにも良く合ったパターンなので邦楽ファンにも受け入れる素地が有る。特にGS末期~ニューロック初期辺りが好きな人にはたまらないフレーズをバンバン紡ぎ出すバンドである、ピンク・フロイドというバンドは。その後はコンセプトが全面に現れたため、サウンドに幻想を纏う必要がなくなったのか、サウンドがシェープアップされシンプルなサウンドとなっていく、時代がパンク~ニュー・ウェーブとシンプル系のサウンドを要請する時代にピッタリと呼応したものなのだが、ピンク・フロイドの場合これはアルバム作りの必要条件であり、時代に阿った売れるための十分条件でないところが興味深い。そして、サウンドはそのままに、メンバーチェンジによるリーダ交替の変化のみで現在に至る。
こういった変化が、一度に見て取れた。
初期から中期の幻想サウンド時代は一曲一曲にコンセプトが凝縮していたため、ドラマが曲の中に内包されており、非常に印象に残りやすい曲が多い。しかし、特に「ザ・ウォール」以降でだが、ドラマをアルバム全体で作ったため、ドラマ性は拡散し、1曲1曲の印象が薄い。アルバム内の聴かせ所に印象の素晴らしく強烈な曲を持ってきてドラマを分かりやすくしており、その曲は強烈な個性を放っているのだが、その他が少し弱かったりする。そういった意味では過渡期のアルバムではあるが「アニマルズ」がバランスが取れていてピンク・フロイドらしさが一番感じられるアルバムだと感じる。ただし、現代風刺のテーマのため幻想性は皆無だが。メンバーチェンジ後の「鬱」「対」では、原点回帰がみられたが、どこまでソレが成功しているかまでは聞き込めなかった。今後、聴き込んで確認していこう。
次いでリマスターについてだが、1993年から1995年にかけて行われた前回のリマスターに比べると、洗浄したてのような鮮度はないものの、アルバムの雰囲気を大事にしたふんわりとしたりマスターは好感が持てた。一時流行ったアナログ盤などの素材に違うものに近づけようという指向とか、マスターテープの音に少しでも近づけよう指向などという、CD盤リマスターとは次元の違う作業を行ってしまった形跡もない。まぁ、ここらはリマスタリングエンジニアがどういう意図を持って作業を行ったかが分からないので何とも言えないが。
何はともあれ、ピンク・フロイドを知って20数年経ちようやく全体像をおぼろげながら掴む事が出来た。
後は弱い部分をひたすらせめて、パズルのピースが抜けている部分を埋めていきたい。
何せ、「夜明けの口笛吹き」「ウマグマ」「原子心母」「おせっかい」「狂気」しか持っていなかったため、どちらかというとかなり聴き込んでいるこれらのアルバムと他のアルバムの間にある「壁」を取り払う作業をこれから行おうと思う。
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